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コンセルトヘボウ主義

世界最高のオーケストラ、コンセルトヘボウのことを中心に、個人的に注目している演奏家や音源について書いていきます。

マーラー:交響曲第1番 マイ・ベスト5

ブログ書いてみようかな、と思ったのは、実はこれが書きたかったから。

順位だけ並べたものは某短文投稿サイトにも書いたけど、やっぱり聴いた感想は自分の文でしっかりと理由も書いておきたい。

 

1.エリアフ・インバル/東京都交響楽団 2012年(ライヴ)

2012/9/15,16,20の録音。全部足を運んだ。

実演奏で一番凄かったのは9/16のみなとみらいの演奏。たぶんこのホールでの音源が

一番多用されているのかな、という気がする。

とにかくオケが巧いのと、インバルが完全にこの曲を手中に収めている。

チェコ・フィルとも同じ曲を入れているが、オケに任せているチェコ盤とは出来が全然違う。チェコ盤はメリハリが必要なこの曲に悪い意味での丸みを感じさせてしまう。

アタッカで第2楽章に入るには最近の傾向らしいが、特に圧巻なのは第3楽章の繊細な音から第4楽章コーダまでの音の作り。

コーダの入りで堂々とリダルダントをかける解釈もグッとくるものがある。

全部別会場での収録、CDでは音が丸くなってるとはいえ、よく1枚に収められたなという驚きもある。

 

2.クラウス・テンシュテット/シカゴ交響楽団 1990年ライヴ

DVDでも発売されているが、是非EsotericのCDを聴いて欲しい。

EMIから出ているCDとは比較にならないくらい音がよい。インバルとどっちを1位にするか迷ったが、完成度からインバルを上位にした。

癌から復帰したテンシュテットはまさに鬼神と化していて、内蔵をえぐるような、でもバーンスタインのように煽る演奏をしないところがいい。

テンシュテットはやや縦の線に難があるので、解釈は素晴らしくてもLPOとの演奏だと技巧的に不満があるが(特にEMIから出てるマーラーの6番)、アメリカのヴィルトゥオーゾ・オケがその弱点を補っている。

LPOは最愛のパートナーだったとは思うが、アメオケももっと振って欲しかったと認識している。

第4楽章冒頭で若干ズレはあるがほとんど気にならない程度。燃焼度では明らかにインバルの上を行く。

 

3.ジョルジュ・プレートル/ウィーン・フィル 2007年ライヴ

2007年、ムジークフェラインでのライヴ、放送音源。

WPhは本当に良さを引き出すのが難しいオケで、現役でこのオケの良さを引き出せるのは、プレートル、ヤンソンス、ネルソンスくらいか。

WPhでありながら縦の線がしっかり揃った演奏で、ここではテンシュテットの演奏に見られたような深刻さは皆無。プレートルの満面の笑みが思い浮かぶような明るい音が印象的。

 

4.マンフレッド・ホーネック/ピッツバーグ交響楽団 2008年ライヴ

マゼールヤンソンスとなかなかこのオケとはうまくいかなかったらしいが、まさに「ピッツバーグ・サウンド」を体現しているのがこの演奏(あとはマラ5)。

アメリカのオケの機能性と、音楽一家として生まれたホーネックの抜群のセンスの良さがこの演奏に新鮮さをもたらす。

奇を衒った解釈をするのではなく、あくまでホーネックの音楽性の高さから俗っぽくなりやすいこの曲に新しい息吹が吹きこまれ、このコンビの素晴らしい未来を感じさせる録音との印象を受けた。

 

5.ジョナサン・ノット/バンベルク交響楽団

5位には何を入れるか迷ったが、好きな指揮者の紹介も兼ねてこの音源を。

ネルソンスと同じくらい、自分の中で熱い指揮者であるノット。

今年の4月からは東響の音楽監督になることが決まっているが、2000年からもう14年になるパートナー、バンベルク響とのセッション録音。

ノットはマーラーの録音を全部セッションで入れており、その見通しのよい棒捌きに緻密さ、真摯さが伝わってくる。

古典から現代音楽(特に保守的とされるバンベルクの聴衆には現代音楽は抵抗が少なからずあるらしい)まで得意とし、特にマーラーワーグナーのような後期ロマン派を得意としており、ここでも瑞々しさとしっかりと鳴りきった音が好印象。

曖昧な音がないのがノットの長所でもあると思う。

 

順位には入れなかったが、ハイティンク/BPhのセッション録音や、ヤンソンス/RCOなども迷った。

特に最近の演奏ばかりで恐縮なので、古い演奏も入れようかと思ったが、残念ながらワルターバーンスタインは入れることが出来なかった。

もともと彼らが好みでないことに加え、演奏水準は現在のほうが明らかに上。

ショルティの演奏はマラ1よりも他で素晴らしいのがあるので、後ほど取り上げてみよたい。

 

以上、「マラ1」のマイ・ベスト5。