マラ6ベスト5を下書き中だけど、色々とまとめるのに詰まってるところがあるので、こちらから。
この曲はマーラーの中で一番の「大曲」でありながら、マラヲタの中でも好きな曲になかなかランクインしてこない不思議な曲。
聴いた時の感動はクラシックの中でも一番だったけど、飽きるのも一番早かったというのが正直な感想。
決して嫌いではないし、実演があろうものなら万難を排して行く曲。
演奏は難解、でも6番のレビューを後回しにして8番のレビューを先にしたのは、音源を聴くのにあたってポイントが分かりやすい点。
いくつか挙げてみよう。
・スタジオ録音が圧倒的有利。
以前よりも録音技術が発達したとはいえ、エンジニア泣かせで有名な曲。
しかも交通整理も難しく、キズも大きくなりやすい。
となると、マイクの制約も受けにくいスタジオ録音に軍配が上がりやすい。
・オペラ的要素が大きく、歌手やオペラが得意な指揮者向きの曲
特に第2部はオペラの演奏会形式といってもよいような曲。
そうすると、コンサートよりもオペラのように全体を俯瞰しながら構築出来る手腕を持った指揮者が有利。
というわけで、8番のベスト5を挙げてみることにする。
1.ノット/バンベルク交響楽団
最近出たばかりのCD。後述のブーレーズと双璧だが、第2部のpppの使い方や「歌」においてこちらに軍配。
ノットはマーラーの録音を今では珍しく全てセッション録音で行なっていて、ここではその点が大きくプラスに作用している。
録音の優秀さ、オケの巧さ、ノットの類まれな統率力ともに群を抜いて素晴らしい。
カペルマイスターとしての実力が遺憾なく発揮されていると #いえよう
ブーレーズというと、ザッハリヒなスタイルで、歌うことを避け、ひたすら楽譜通りに鳴らしていく。
そのイメージが覆ったCD。
特に第2部のこれがブーレーズかと疑うような、しみじみとした歌いまわしには深い感動を覚える。
ノットとどっちにするか本当に迷ったが、あとは好みの問題かもしれない。
古典的名演ながら未だに朽ちることのない、この曲の名演。
ブーレーズ盤が出てくるまではこれがマイ・ベストだった。
とりわけ歌手が優秀、ショルティもシンフォニーにあるような「カミナリを落とす」アプローチではなく、オペラ的な俯瞰力を持って接している。
録音も1970年のアナログだが、今でも十分通用する優秀さを持っている。
ここで初めてライヴの登場。
癌から復帰したテンシュテットはまさに鬼神。
ここまでも高い燃焼力と集中力がみなぎっていて、演奏で観るとさらに感動的。
いつまで残っているかわかりませんが、Youtubeのリンク貼っておきます。
ちなみに映像はCSOとのマラ1カップリングになってDVDで売っているので、是非購入しておきたい。そして、Blu-ray化を望む。
https://www.youtube.com/watch?v=y5aRbgr0m9U
5.ティーレマン/ミュンヘン・フィル 2011年10月30日 ライヴ
マーラー・イヤーとして、取り上げられた演奏。
あのティーレマンが、ネオ○チ疑惑があるティーレマンがマーラー?!
自分も最初を目を疑ったが、これがいい演奏。逆に3番とかは絶対に合わないと思うw
そして、たぶん彼がは今後マーラーを振る可能性はかなり低いと #認識しているw
他に挙げるか迷ったのは、
ジンマン/トーンハレ
CD化しているものであれば、シャイーの2001年の全集からか、ジンマンが次点といったところ。
シャイーの95年のライヴは入手が難しいことと、ハイティンクも同様の理由かつ残っている音質が悪い。
ハイティンクのはエリザベス女王を呼んでの記念すべき演奏会で、映像も残っているので、AvroがBlu-ray出してくれないかと期待しているんだが。
ハイティンクが一番脂ノリノリな頃の指揮ぶりがカッコいい。これが音楽監督してのコンセルトヘボウとの最後の演奏で、演奏後の笑顔がなかったのが脳裏に焼き付いている。
以上、マラ8のベスト5。
※今月、インバルのマラ8があるので実演は非常に楽しみにしているが、CDではたぶんベストに入れるのは難しそうな予感がしている。
前回、ミューザで録音されたマラ8は悪くはないが、よくもなく、といった感じ。