<演目>
武満 徹:セレモニアル -秋の歌-
<演奏>
笙:宮田まゆみ
コンサート・マスター:水谷 晃
指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団
上岡さんのコンサートから予定よりも早くついたんですが、時計が16時37分で止まっており、電池交換しようにもミューザ内でやってくれるところはないので諦めることにしました。
結構演奏中に時計を見ながら演奏時間をチェックするタイプなので落ち着きませんでした。
しかも、ダブルヘッダーなので、コンサート前に一息つこうと思ったのに、店を探し回ってたせいで休憩も出来ず。
でも、実際に演奏が始まると時間は気になりませんでした。
実は震災後にミューザでコンサートを聴くのは初めてで、ヤンソンスがRCOと来日した2010年11月以来です。
あの後、音響もよくなったと聴いていたのでだいぶ期待していました。
演奏前からだいぶ話題になっていたので相当客入りもあるだろうと思っていたのですが、6~7割程度。オープニング・コンサートとは思えないほどガラガラで、一階の右側と二階が右側がかなり空席がありましたね。いい席ほど残ってる感じでした。
ちなみに武満徹のセレモニアルは初めて耳にする曲でしたが、オープニングにマーラーの9番をもってくるところにノットの並々ならぬ意欲を感じさせました。
インバルが都響との締めくくりに9番を持ってきたのに対して、それとは真逆。
演奏も真逆なスタイルでした。
たっぷりと、時にはポルタメントを使いながらオケに任せるアプローチに対して、ノットは全体を俯瞰しつつ、細かいキューを出しながら、緩急を楽章によって明確につける。
第1楽章はおそらく30分はあったであろう、かなりのスローテンポ。本当によく響くホールで、東響自慢の弦がよく鳴り響いてました。ただ、聴きなれないホールのせいなのか分かりませんが、ノットが求める「ドイツ的なダーク」な響きは不足していて、特に低弦に薄さを感じました。なので、重心が高い演奏に感じてしまいました。
あと、観客席からの咳はほぼ皆無だったのに対して、プログラムを落とした時の音がすごく響き渡る。たぶんサントリーだとここまでならないでしょうけど。
あと、このスローテンポのせいか、若干間延びしたような感あり。
ところが第二楽章に入るとキリッとしたテンポでノットが細かく棒を振り、音楽がスリリングに。
第三楽章は特にそれが顕著で、Tpが若干落ちていましたが、必死に食らいついてくる東響の姿は感動的。
そして白眉の終楽章は分厚い弦の洪水。最後の余韻の残し方はノットも東響も限界に挑戦。
そして、一般参賀こそなかったものの、鳴り止まない拍手。
東響がすごくひたむきなオケで、これがチャレンジだったのは伝わってきましたが、マーラーやワーグナーを苦手とする(中の人談)オケの課題も見えたと思います。
ただ、これはホールのせいかもしれないので、明日の演奏会で、聴き慣れたサントリーホールでしっかり確かめたいと思います。