<演奏>
指揮:アンドレア・バッティストーニ
2014年1月31日 サントリーホール(ライヴ)
ローマ三部作があまりにもすごかったので、それと比べるとさすがに酷ではありますが、やはりバッティストーニは只者ではない。
彼は「トスカニーニがマーラーと仲が悪かったので、マーラーは振らなかったけど、トスカニーニが振っていたらおそらくこうなっていただろう」とも述べています。
よく「トスカニーニの再来」と引き合いに出されますが、確かに情緒に溺れないストレートな表現、速めのテンポは似ていますが、オケをその気にさせてしまう、オケから自主性を引き出しているのが最大の違いではないかと思います。
「俺について来い」的な暴君は、今の時代では通用しませんからね。
最近は「巨人」もハンブルク稿を演奏される機会が増えてきましたが、ここでは純粋な4楽章構成の「楽譜に忠実な」演奏を繰り広げます。
それにしても東フィルは巧いし、緩徐楽章、特に第3楽章の陰影の深さはとても20代の指揮者とは思えない。
それを対をなすように、第4楽章は深刻にならず輝かしく肯定の音で終わります。
スコアを完全に読みきってる洞察力の深さ。
もう今から追いかけると高値掴みな気もしますが、それでもこれだけの指揮者はなかなかいないので、是非実演を聴いてみたいですね。特に評判が高いオペラを。