コンセルトヘボウ主義

世界最高のオーケストラ、コンセルトヘボウのことを中心に、個人的に注目している演奏家や音源について書いていきます。

【コンサート】フルシャ/都響 オネゲル、バルトーク、ストラヴィンスキー@サントリーホール 2014/6/24(Tue)

<演目>

オネゲル:交響的楽章第1番《パシフィック231》
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 Sz.119
(アンコール)バルトーク:3つのハンガリー民謡
(アンコール)J.S.バッハフランス組曲第5番より《サラバンド
ストラヴィンスキーバレエ音楽春の祭典

<演奏>
指揮:ヤクブ・フルシャ
ピアノ:ピョートル・アンデルシェフスキ
東京都交響楽団


今日は仕事でかなり嫌な思いをした上に荒天。コンサートで色々忘れようと思ってました。

平日なのにほぼ満員の客席。

冒頭から都響の機動力全開、しかもオネゲルのパシフィック231に始まり、バルトークのピアノ協奏曲第3番というハイカロリーなプログラム。
とはいえ、第2楽章の叙情的な響きが本当に美しい。アンデルシェフスキが只者ではないと感じました。そして、第3楽章は火花が散るような激しさ。
サポートに徹していたフルシャのタクトにも力が入る。終わった後は拍手が鳴り止まず、アンコールが2曲も。
これが暑くなった都響のエンジンと聴衆の絶妙な冷却剤になって、後半のハルサイに突入。


冒頭はやや抑え目だったのが、途中から一気に出力が上がりました。
フルシャの時折飛び跳ねる鋭敏なタクトに、都響は瞬時に反応。
陳腐な表現ですが、超高性能なスポーツカーと天才ドライバーの組み合わせなのに、決して気品は損なわない都響はやっぱり恐るべし。
こういう機動力が問われる曲は都響は群を抜いていますね。

 

また、都響の聴衆のレベルもかなり高いなと思いました。
拍手もワンテンポ待てる余裕がある。
空間の静けさを楽しもうとするのを感じるし、アンコールの2曲目の時、どうにも咳が止まらなかったのに、何とか響かないように苦労しているのが分かりました。
あと、隣の人に終演後に演奏中にいきなりハッと振り向いてごめんなさいと言われたこと。最初何のことか分からなかったのですが、演奏に夢中だったので、
途中は全然気付きませんでした。
でも、こういう皆で演奏会を楽しみつつ、聴き手も一緒に時間を作っていくような経験はなかなか味わえないものです。

正直、インバルがプリンシパル・コンダクターを降りた時にこのオケの頂点かなと思いましたが、インバルやフルシャのような人がいてこそ、今の都響があると
感じました。