久々にインバル/都響の演奏会に行ってきました。
2014年7月のマーラー10番以来。
指揮/エリアフ・インバル
曲目
ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》より「前奏曲と愛の死」
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 WAB104 《ロマンティック》 (ノヴァーク:1878/80)
ワーグナーは緻密な演奏でありながらも都響の透明感ある縦の線が光る演奏。過度に情緒的になることはなく、都響の性能の高さを感じさせる。
一方でブルックナー。7番を聴いた時と同じように、とにかくテンポが速い。通常68分くらいなのに、60分で全曲を締めくくる。
一言で行ってしまえば、一筆書き、剛直、男性的、野太い響き。
官能的とは対照的な位置付け。去年の7月とはほぼ逆なスポットの当て方。
都響の機能性をフルに活かした、粗くならないギリギリのラインを野暮ったく、金管とティンパニ中心でゴリゴリ。語弊を恐れずにいえば、現代版ショルティかカラヤンといったところ。とにかく隙がなく完璧な演奏で、弱音部も透明な木管とひんやりした弦がそれを支える。
トキョラーには堪らない演奏。
今後、大野体制になって、ますますその傾向が強まる気がする
確かに凄すぎたけど、ブルックナーってよりはインバル/都響を聴いてる感じがした。
前はこういうのが好きだったけど、今はノット/東響、ラザレフ/ヤマカズ/日フィルの方が好き。
もっと当たりの柔らかい芳醇な響きがある方が好み。
音の好みは年齢とともに変わるものだと感じた次第。
とはいえ、有り余るエネルギーを演奏会からもらいました。