指揮/エリアフ・インバル
ソプラノ/安藤赴美子
アルト/中島郁子
テノール/大槻孝志
バリトン/甲斐栄次郎
合唱/二期会合唱団
2015年最後のコンサートはインバルの第九だった。
この演奏が3つ聴いた第九の中で一番しっくりきたし、インバルの揺るぎない説得力は段違いであった。
大編成で演奏し、ピリオドとはかけ離れた、一昔のような編成。
ところが、これが実によかったのである。
第1楽章から、非常に音の密度が濃く、楽器を隅々まで鳴らす。
特に木管がギラギラ輝くところも素晴らしかったといえよう。
第2楽章も弾力のある響きで、第3楽章はインバルが声を上げて歌いながら、濃厚なカンタービレを聴かせてくれた。
そして、第4楽章。
スコアの隅々に光を当てながらも、聴き手に迫り来る圧倒的な内容と迫力をもって締めくくった。合唱が特に優秀なのも特筆すべき点であったといえよう。