指揮/フランソワ=グザヴィエ・ロト
曲目
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《ペトルーシュカ》(1911年版)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《火の鳥》(1910年版)
前回素晴らしかったロト/都響の第2弾。
今回は前回とは異なり、フル編成。
ペトルーシュカは1911年版で、1945年版の3管構成から4管構成。
火の鳥は最近演奏機会が増えてきた、1910年全曲版。
今回の演奏会で何よりも素晴らしかったのは、ペトルシューカ。
個人的にこの曲は苦手だったはずが、全ての音が瑞々しく語りかけてきて、パートソロが明確になりながらもパートごとの有機的な繋がりを感じたのである。
場面ごとに物語そのものを感じることができた。
そして、弦のダウンの箇所で、都響の弦が全身を使って身を乗り出して弾く姿には鳥肌が立った。
そして、火の鳥。
都響らしい明瞭な解像度。
緩徐部分が特に素晴らしく、有馬さんのホルンソロにはうっとりしたのである。
フィナーレは冒頭のテンポが速く、辛口な表現でやや硬さが出た部分もあったが、コーダに向けて歌い直すと、いい意味で隅々まで神経を張り巡らせたアンサンブルになったといえよう。
フランス系の指揮者と相性がいい都響。持ち前に機能性に芳醇さが出て、ニュアンスたっぷりな演奏になる。
硬さがほとんど出ない。
次に都響を聴くのは、C.ヤルヴィになるが、どういう演奏を聴かせてくれるか楽しみである。