コンセルトヘボウ主義

世界最高のオーケストラ、コンセルトヘボウのことを中心に、個人的に注目している演奏家や音源について書いていきます。

【CD】制限が生み出した名演との出会い、CD販売の今後

会社の保険組合のカフェテリアのポイントが商品券や旅行券ならともかく、新星堂の店舗でしか使えない商品券で、それを使う必要があったので2万円あまり交換。

 

しかし、新星堂は今、どこの店舗でもクラシックの輸入盤は店が予め決めたものしか取り寄せないらしく、使い道に困っていたので、演奏者は好きでも、曲や値段の関係でなかなか手が出ない、山田和樹さんのEXTONのCDを買うことにしました。

 

(それにしても何でよりによって新星堂なのか、せいぜいタワレコにして欲しいですねw)

 

 

 

新星堂といえば、自分が学生だった頃はクラシックの国内・輸入盤ともにすごい数が充実して、当時浪人生として地方都市の予備校に通ってた頃は、昼飯代を削って毎日のように通い、ベルリン・フィルティンパニスト、ライナー・ゼーカースに似た店員のTさんに色々名盤を教えてもらいました。

 

当時、カラヤンで全ての音源を揃えれば間違いないと思っていたくらいカラヤン信者だった自分にフェドセーエフのチャイ1を進めてくれたTさん、それからというもの、フルトヴェングラーにハマったり、「深さは年とともに自然と出てくるから、今は幅を広げるべし」というTさんの仰ることが分かっていながらも同曲異演ばかり聴いていましたが、ここ数年でようやくそのことが体で理解出来るようになりました。

 

でも、これには条件があって、「よき演奏家との出会いが曲の幅を広げる」ということです。

 

これを最初に体験させてくれたのはラトルでした。

(ラトルの体験については日を改めて書きますね)

 

今回それを体験したのは、ヤマカズの2枚でした。

1つは「2つのハ長調交響曲」をテーマにしたビゼーモーツァルトのK.551。

2曲とも苦手とする部類に入り、出来れば聴きたくないw

ところがヤマカズマジックに入ると「聴かず嫌い」が不思議と払拭される。

特にビゼーの第2楽章はかなり好きになりそうです。

決して癒やしだけでなく、ジュピターことK.551はまさに生命力にあふれた演奏。

モーツァルト全般が苦手な中でかろうじて聴ける曲だったのを通り越して愛聴盤になりそうな勢いですね。

 

もう一つは、仙台フィルとの「変奏曲」をテーマにしたCD

ヒンデミットウェーバーの主題による交響的変容

ラフマニノフパガニーニ狂詩曲

ブラームスハイドン変奏曲

 

「ハイバリ」以外は好きな曲ですが、仙台フィルというと、幼少期にベト5,6を隣町の町民会館で聴いてトラウマになってしまって以来、演奏会から遠ざかっていたのがありました。

ところが、ヒンデミットの繊細さ、木管の巧さを聴いて、まるで別なオケでした。

パワーこそやや不足(といっても山田さんがそもそも求めてないのかも)な印象を受けましたが、これがあの仙台フィルかと正直思いました。

ラフマニノフも安定感のあるいい演奏でした。

 

山田さんについてはもっと書きたいことがあるんですが、これまた稿を改めて。

 

 

話は新星堂に戻りますが、前述のような新星堂の状態しかり、HMVは実店舗を縮小し、タワレコも改装という名のもとに縮小。

価格もオンラインをより安く設定し、よりオンラインで買うように誘導しようとしているのが見えます。

CD自体が売れない今、オンライン配信が増え、ベルリン・フィルのDCHやRCOも配信を始めました。

新星堂については3月末でオンライン販売をやめてしまったので、この先は店をたたんでしまうんでしょうか。

 

これと対をなすのが組合(Disk union)です。

こちらもタワレコとの価格競争や廃盤の再発売なので結構大変なようですが、やっぱり格安のDiskやずっと探し求めていた廃盤を求めていた時の出会いは大きいです。

ちょっと店舗が変わってしまって以前と同じようなスタイルにはいかないとは思いますが、生き字引のように詳しい特定の店員さんとは色々情報をいただきながら、廃盤を探すのにお世話になっています。

こういう人との繋がりってやっぱり好きなんです。

 

二極化しているのは間違いないですが、アナログのよさもあるので、ネット販売なども活用しながら組合には頑張っていただきたいなと思います。