指揮:ジョナサン・ノット
パルジファル(テノール):クリスティアン・エルスナー
クンドリ(ソプラノ):アレックス・ペンダ
曲目
ベルク:「抒情組曲」より 3つの小品
ワーグナー:舞台神聖祝典劇「パルジファル」抜粋
ベルクからこのオケが以前とは全く別な側面を見せるところに驚いたけど、白眉はやっぱりパルジファル。
オケのしなるような響きもさることながら、歌手が本当に素晴らしい。張りとコク、鋭さがある声。ノットの引き締まった響きに完全に呼応。
彼らのこうでなくては!というのがヒシヒシと伝わってきた。
聖金曜日の手前のクライマックス、第2幕の最後で、ノットにしては珍しく何かを発しながら大きなアクションをとった瞬間、オケにもう一段スイッチが入り、響きがより重心が低くなった時には涙腺崩壊寸前。
もうひとつの趣味である、ロードバイクでも走ってる時は嫌なことを忘れられるけど、クラシックも極限に入った瞬間は日頃のモヤモヤなどどうでもよくなり、全てを忘れられる瞬間がある。これを体験する度にコンサートに通うのはやめられそうにない。
ますます来たくなってしまう。
演奏はとてもよかったのだけど、空席が多かったこと。
5-6割といった感じ。翌日土曜日のコンサートも空席があったようで。
ほぼ満員になる日フィルや都響と比べると、そのあたりが今後心配。
出待ちも多く、非常に熱狂的なファンがいる一方で、こんなに席がガラガラで大丈夫なのだろうかと心配になってしまう。
プログラムの問題なのか、マネジメントの問題なのかはファンの一人として考えて行きたいと思う。
ちなみにノットが蜜月の関係だったバンベルク響を2016/17で去るとのこと。
スイス・ロマンド管の音楽監督に就任が決まった時から、その予感はしてたけど、その記事については改めて書きたいと思う。