指揮:アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ:イワン・ルージン
プログラム
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番《1905年》
前回の10月の4番以来、ラザレフのショスタコーヴィチの凄さが広まり、ホールは結構埋まっていました。
前半は11番と同時期に書かれたという、ピアノ協奏曲第2番。
息子マキシムの練習用に書いた曲だそうで。
個人的にはクリストーフォリさんとの掛け合いが聴きたかったので、1番がよかったんですが、ルージンさんのピアノは軽快でしっかりしたタッチ。ラザレフのサポートも素晴らしい。
アンコールはプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番から第3楽章。
ブロンフマンのような強靭なタッチではなかったものの、相当テクニックありますね、、、
そして、メインのプログラムはショスタコーヴィチの交響曲第11番。
好きな人の中でも特に標題音楽的要素が強い11番が好きな人は結構多くて、たくさんの知り合いが行っていました。
感想は一言で言ってしまうと、「言葉を失った」
しばらく放心状態になってしまうほど、、、
繊細なピアニシモから丁寧に音を紡いていくんだけども、ボリュームが上がった瞬間にとてつもない音が出る。とにかくはちきれんばかりのえぐるような表現。
日橋藤原クリストーフォリの最強金管陣が目一杯吹いて、それに負けないくらいの強靭な弦。ものすごいトレーニングをしたんでしょう、、、
特に凄かったのは第2楽章の「発砲」が始まるところ、テンポを落として、凄惨な現場が目に浮かぶようだった。
そして、第3楽章は気が緩みそうになった客席を見ながら、マイクに入るかぎりぎりのボリュームで「同志は倒れぬ」のメロディーが哀愁漂う。
最終楽章もしっかりバテずに最後の最後までバシッと決めて、ラザレフはすぐに手を下ろした。
拍手はしたけど、とにかくしばらく動けなかった。
ラザレフとそして限界の演奏で応えた日フィルに拍手。
ちなみに演奏会の後にラフマニノフの交響曲全集のCDが先行発売されてて、サイン会が行われたけど、将軍様のご意向で楽屋で立ったまますることに。
燕尾服から着替えることもなく、汗だくになりながらもさすがにお疲れの様子でサインをしていました。