指揮/トーマス・ダウスゴー
クラリネット/カリ・クリーク
ソプラノ/半田美和子
バリトン/加耒 徹
サーリアホ:クラリネット協奏曲《D'OM LE VRAI SENS》 (2010)(日本初演)
ニールセン:交響曲第3番 op.27《広がりの交響曲》
サーリアホのクラリネット協奏曲、ステージを暗くして、バンダのように聴こえる不協和音のクラリネット、そして右側からクラリネット奏者のクラークが登場して客席前方、ステージ後方、ステージと歩いてくる。しまいにはVn奏者の多くがクラークに率いられる客席に歩いてきてくる。
とても幻想的だった。こういう特殊な視覚、聴覚効果があるので、実演でこその曲だと思う。
ネットが発達し、バーチャルに音楽が楽しめるようになっても、実演には敵わないことをサーリアホは訴えているようにも感じた。
都響の高いアンサンブル力で盤石の出来。
アンコールでクラークが何か弾くと思ったら、クラリネットを壊れたかのように外してしまって『弾けません』ってことでお開き。会場からは笑い。
後半のニールセンの3番。
ダウスゴーの十八番というべき曲で、客席の拍手が鳴り止んで間髪入れずに豪快に鳴らす。
もう振りたくて仕方がなかったかのよう。
とにかく目一杯にサントリーホールに鳴り響くのだが、ホールの残響が多いせいか、特に第1楽章と第3楽章の前半でTpがとても耳についた。弦が負けている。
ここ最近の都響でとても気になってるところである。これがトキョラーにはたまらないんだろうけど、、、
ちなみに弦が前面に出る第2楽章は緻密なアンサンブルで、男女の独唱も素晴らしかった。
終演後、ダウスゴーにお会いできて、DR2をいつも聴いてることを話したらすごく喜んでくれた。とてもフレンドリーで物腰の柔らかい人だった。なんとなくメッツマッパーに似ているw
今度は現地で聴いてみたい。
あと、クラリネットのクラークにも出口で会うことができたので、『ヤ・マ・ハ!』を合図に写真録ってもらいました。
とてもお茶目な方。
それにしても、サーリアホのクラリネット協奏曲、暗譜が必須でさらに体を使った表現も必要。
世界で何人演奏出来るのだろうか。
