佐藤優氏の本は何冊も読んでいるし、ラジオも聞いているのでだいたいこの話が来るんだろうなぁというのは分かるんだけど、それでも政権に批判的な山口氏と、(外交については)割と肯定的な佐藤氏が、それぞれ互いに得意分野を対談に近い形で説明している。
時々両者に疑問を投げかけ、「同意する」「同意しない」とはっきり主張しても、この本が成り立つのは、お互いを認め合っているからであろう。
重要なのは「話者の誠実性と学識」と佐藤氏は述べている。
安倍政権がなぜ続くか、続く時の条件(株高)やそれが生み出す弊害(行政権優位、三権分立の崩壊)、過去の日本、世界の政権との類似性の点から考察されている。
そして、過去のターニングポイントとなった出来事を世界情勢の点から述べつつ、金融資本主義の限界とポストコロナにおける政府のあり方を提言している。
今は本当に歴史の転換点にいるものだと改めて感じた。
また、普段からの読書の重要性、特に歴史の学習の重要性を痛感させられた。
とても読みやすい構成になっているので、今後を生きていくためにも是非手にとって読んでいただきたい。
評価:★★★★★