指揮:ジョナサン・ノット
曲目
ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブルックナー:交響曲 第3番 ニ短調 WAB103
「ワーグナー」 [1873年第1稿(ノーヴァク版)]
やはりこのオケのコアの部分が大きく変わっていっていることを印象付けました。
包み込むようなジークフリート牧歌。東響の最大の武器である弦を最大に活かし、至福のひととき。
ノットのテンポはやや速めで、メロディーラインが端正で美しかったです。
先ほど聴いた美しい弦に、しっかり支える低弦。金管パートも音量が大きいながらも決してうるさくならないいぶし銀の響き。
ドイツのオケのように重心が低いながらも東響独自の柔らかさを活かすのはノットの手腕でしょうか。
先週感じられたように、指揮者とオケの信頼感と、そこからくる確信に満ちた堂々とした響きが素晴らしかったです。
もうおっかなびっくりで弾く様子はなし。しっかりと振るけど、以前よりは格段にキューの数は少なくなっていました。
やや第2楽章の冒頭で響きが濁ったように感じられたのは残念ですが、それ以外は盤石の出来といっていいでしょう。
しかも、このテーマが目まぐるしく変わる曲を暗譜で振ってしまうのだから脱帽です。
来年の3月までノットに会えないのは残念ですが、マエストロは先週お会いしたことを覚えててくれていて、よいクリスマスと来年会いましょうと伝えておきました。
最後は万雷の拍手で見送られていました。6月頃までは出待ちもマネジメントの方がピリピリしていたんですが、ノットの気さくさといい演奏が出来ているのもあってか、長蛇の列ながらも雰囲気がよかったですね。
出待ちで4月のコンサートてお会いして以来の方と、『響きの重心が低くなって、凄くよくなった』とワインを飲みながら語ってました。
今年のコンサートは24日の上岡さん/崔さんのデュオを残すのみとなりました。