東京都交響楽団 第791回 定期演奏会Aシリーズ
指揮/オレグ・カエターニ
曲目
ブリテン:ロシアの葬送
タンスマン:フレスコバルディの主題による変奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 op.103《1905年》
今月5回目のコンサート。
土日になかなかコンサート行けなくなったので、全盛期に比べれば半分ほど。
今日は仕事が18時に終わって、そこから上野だったので結構ギリギリで、当日券を購入。
コンタクトレンズつけてる時間もなかった。そのため、ステージの人の顔がはっきり見えず。日橋さんが乗っていたことを後で知るなど。
今回のプログラム、メインはショスタコーヴィチの11番なんだけど、ブリテンにもショスタコーヴィチと同じく「同志は倒れぬ」のテーマが入っていて、ブリテンは金管のみ、タンスマンは弦楽のみという、粋な配置だなと思った。
ブリテンから都響の管楽器の巧さがキラリ。それも葬送と呼ぶに相応しい重さがあった。
タンスマンも分厚い弦から美しいハーモニー。タンスマンの曲は昔はよく演奏されていたらしい。もっと取り上げられてもいいのにと思った次第。
そして、休憩挟んでショスタコーヴィチの11番。
冒頭でTpが音を外してしまい、カエターニも指揮棒を落としてしまうというハプニングはあったものの、首席チェロがすかさず拾う。
このあたりまでは若干硬さはあったものの、「殺戮」の場面に入ると状況が一変。都響持ち前の機動力全開。
血しぶきが上がるような斬れ味で、往年のバルシャイの演奏を彷彿させた。
それでいて、ここの楽器がうるさくならず緻密に鳴り響くあたりはさすが。
ショルティをややコンパクトにしたような指揮ぶりで、音は縦の線がしっかり鳴る。まさに都響の音。
ただ、一つ残念だったことといえば、最後の鐘の余韻がやや足りなかったこと。
あの鐘の余韻を残してるのはバルシャイ盤。警鐘なんだけど、決して明るい未来が待ってる訳ではないという暗示。
なので、すごく重い意味がある。
とはいえ、全体的にはとても満足な演奏会。
都響というと、指揮者(以前でいうとインバル)の音に仕上がったヴィルトゥオーゾ集団という印象が強かったが、先週のリットン、その前の飯守泰次郎さん、ビリーと
指揮者の要求を見事に表現、ある時はドイツ的に渋く、フランス風に芳醇に、ロマンティックに濃厚な歌わせ方をしたり、変幻自在に兼備していると印象に変わりつつある。
これからも楽しみ。
次回のコンサートは日フィルの東京定期。広上さんと大好きなヴァイオリニスト、ダニエル・ホープ♪