コンセルトヘボウ主義

世界最高のオーケストラ、コンセルトヘボウのことを中心に、個人的に注目している演奏家や音源について書いていきます。

【コンサート】コープマン/N響 2017/06/14 (Wed)

かなり間が空いてしまったけど、もう一つの趣味をちょっと一休みして、クラシックに時間を割くことが多くなったので、出来る限り更新していこうと思います。

遡って書くかは気分次第ってことで。

 

コープマン/N響で水曜の夜のクラシック。

 

指揮:トン・コープマン
フルート:カール・ハインツ・シュッツ
ハープ:シャルロッテ・バルツェライト

モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲
モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
モーツァルト交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」

 

元々サー・ネヴィル・マリナーが振る予定だったが、彼が亡くなったため、古楽器の大御所でオランダ生まれのトン・コープマンによる、オール・モーツァルトプログラム。

 

システム関係の仕事をやっている割には時間の調整はつきやすい。

それでも今日はヒヤヒヤすることがあってダメかなと思ったけど、無事に会場に到着。

 

ただ、席が久々にハズレを引いて、加齢臭に加え、嫁だか母だかわからないけど、一緒にきている初老の女性に薀蓄たれて『今日のメンバーは半分以上正規じゃないから手を抜くんだよ、N響だから!』とか大声で言っててホント不愉快。
思うのは勝手だけど、そこまで言うなら来ないで欲しいし、それでいてABC全部来るかもと言ってるので、演奏家や関係者の前で言ってからにして欲しいですね。

 

そんな中で始まったコンサートだけど『魔笛』序曲はコープマンらしいキレのある小気味良い演奏。

コープマンはお辞儀をする時の動きが激しくて、首を上下に早く振るんだけど、それがチャーミングだった。

 続く『フルートとハープのための協奏曲』は実演で聴くのは初めてだけど、本当に絶品。
夢の中にいるような美しいフルートとハープのコラボ。
アンコールはイベールの「間奏曲」

 

 

休憩後はジュピター。

彼のハイドンからしてもっと鋭角に斬り込んでくる演奏を想像していたけど、入りはソフトなアプローチ。しかし、気づかないうちに段々とテンションを上げていき、小気味よいリズムに。でも「あ、上げたな」というのが分からないのがコープマンの凄いところで、まさに巨匠の為せる業というべきか。いつの間にか音楽に吸い込まれていった。

 

アンコールは「モーツァルト!!」と大きく叫んで「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」から第1楽章。

 

まさに水曜の夜に相応しい癒やしのひととき。

最初嫌な出来事はわざわざ振り返らなくていいや、という気持ちになりました。

モーツァルトは個人的にはあまり好んで聴かないんだけど、音楽の力って凄いですね!

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【雑記】近況、最近音楽に思っていることについて

本来であれば今頃、ベルリンのリッツ・カールトンで朝食を摂っている頃だった。

今は東京の自宅でこの記事を書いている。

 

10月こそ8公演行ったものの、11月は4公演のみ。

ずっと前から楽しみにしていたラザレフのグラズノフを仕事で聴けずじまい。本当に悔しかった。

 

12月8-18日までお休みをもらい、ドイツに行くはずだったが、11月下旬に鼻風邪を引き、毎週のように24時間勤務の日があったりですっかり心身ともに参ってしまっていたところに、12月5日の夜から流行りの急性胃腸炎になってしまい、38-40℃の熱を出してダウン。

旅行については、ミュンヘンにいる友人にも久々に会いたかったし、キリル・ペトレンコの振る「マクベス夫人」を非常に楽しみにしていた。

しかし、行っても風邪がぶり返すと考え、全部予定をキャンセルして、自宅で療養することに決めた。

休息は必要だと考えていたので、予定通り休みはもらうことにした。

 

食欲が戻って運動を再開しても心拍が上がると胸が苦しい。再度医者に行ったら、熱を出したことで体が弱っているので、12月16日の金曜日まで運動してはダメと言われた。

そんなわけで家で映画やドラマを観たり、本を読んだり、ドイツの食事やホテル代に充てる予定だったお金で前から欲しかったヘッドホンT5pの上位モデルである、T1pを購入したり、洋服買ったり、もう一つの趣味であるロードバイク関連のグッズなどを買ったり。

 

こうして家で本を読んだりするのは久々で、仕事のみで日々のニュースもチェックできないような毎日を過ごしていたので、自分に対してようやく落ち着いて向き合うことができた。

最近、すごく影響を受けたのは、流行りの「逃げ恥」に出演している星野源さん。

俳優、シンガソングライター、文筆家という多彩な才能の持ち主ではあるが、いわゆる「芸能人」的なキラキラしたオーラはない。ただ、自分のことをよい意味で包み隠さず話すので、物凄い努力や苦労(くも膜下出血で2度入院)をしてきたことに心を打たれずにはいられない。自分の1つ上ということもあり、すぐにファンになってしまった。

 

 

だいぶ前置きが長くなってしまったが、クラシックに話を戻そう。

最近、正直言うと、クラシック全体への興味は薄れてしまっている。特にオーケストラに対しては。

もちろん、良い演奏には感動するのであるが、感動するものとそうでないものの差が激しい。

最近感動したのは、オーケストラに限っていえば、P.ヤルヴィ/N響マーラー3,8番、ラザレフの横浜定期のラフ2x2、井上道義/N響タコ12、ヤンソンス/BRのマラ9か。

 

心を揺さぶるオケと指揮者に変化が生じているのが分かる。それで何故かなという考えていった時にオーケストラの運営側に姿勢や体制も大きく作用しているのではないかと考えるようになった。特にオケについては、年間プログラムの組み方や、マネジメントの方の態度や客層を見て、良好な関係かそうでないか、応援したいか否かを感じるのだ。

特にオケは(室内楽もそうだが)、聴衆が演奏会の雰囲気作り、さしては演奏に大きな作用をもたらすと考えている。

 

このブログを頻繁に書いていなかったこともあり、バイネームで恐縮なのだが、オケ別に個人的な想いを書いてしまおうと思う。

 

 

N響

最近、自分の中で一番好きな在京オケ。

何と言ってもパーヴォ・ヤルヴィとの相性が抜群。

正直昔はパーヴォが苦手であったが、パーヴォ自身もテンポの揺らし方が大きく変化し、N響の巧すぎるメンバーと奏でる音はまさに、コンセルトヘボウとベルリンのいいとこ取りとしたようにすら感じられる。本当に幸せなひとときだ。

そして、そんなN響を陰で支えているのは私と親しくしている友人が密かに「神」と読んでいるIさん。

N響のようなオケはいわば国営に近く、資金に困ることはなく、そこにあぐらをかいてしまいがちだが、Iさんは本当にファンのことを大切にしてくださる。理不尽なことでモンスターなお客様に怒鳴られたりすることもしばしば、それなのに「演奏本当によかったですよ」と話すと、自分のことのように喜んでくださる。まさに「神」なのだ。

音楽の話をしている時の顔に喜びを感じる、本当にこの方は音楽が好きなんだなと。

 

 

都響

相性がいい指揮者とそうでない時の差が激しく、現在の常任指揮者はフォルテが耳にキンキン突き刺さり苦手。弱音部は綺麗だが、フレーズがブツブツ切れたり、アンサンブルに粗が見られる。他の指揮者でも特に散見される。最近は金管もお疲れな様子。

一方、インバルの時は完璧だが、逆にいうと、自発性に欠けるように思われる。

N響との違いは、個々のプレーヤー自体の腕は大差ないが、各自が自己主張するように聴こえてしまうのは、今のベルリン・フィルと似ていると思う。

プレーヤーも事務方も上から目線で、インバル時代からの熱狂的なファンが存在するが、自分はそうした部分に嫌気がさし、冷めつつある。

 

・東響

ノット就任で一気に音が変わったと思ったのだが、3年目の今年は苦戦しているように思われる。

特に昔からノットが課題と言っていた「ドイツ的なダークな響き」が身についたかと思ったが、やはり低弦が物足りない。

プログラムの組み合わせに妙があり、最初の年は本当に胸を踊らせながら聴いていたが、今はブル8一本勝負など、「常識的」なプログラムを組むようになっており、そういう時はオケの限界値が見えてしまう。

また、このオケほど「お金」に対して露骨な態度を取るオケはないだろう。どこのオケも寄付のお願いはしているが、大金出した人には跪くがそうでない人には相手にせず、という姿勢が露骨過ぎて、こちらも「コンサートに行ってまで不快な思いはしたくない」と思ってしまうほど。

また、来年のプログラムはノット偏重になっており、他の指揮者が今年よりも落ちてしまっている。

2026年までの契約がどこまで続くのか、運営側の体力は持つのか不安になってくる。

 

 

・読響

指揮者、プログラムともに魅力を感じない。楽しみは日フィルから移籍した日橋さんのホルンを聴くこと。

来年は今年よりはプログラムが楽しみだが、学生券が25歳以下に限定されたりと、世知辛くなっているし、あまりマネジメント側の態度にはいい想いをしたことがない。上から目線だと思う。

 

 

・日フィル

在京オケの中で一番ファンフレンドリーなオケだと思う。古参のファンも多く、そういった人たちをずっと大切にしてきた。

個人的にはラザレフの時の強靭な弦が好きで楽しみなのだが、インキネンの時は弦が薄くなってしまうのが残念。

金管トロンボーンの藤原さん、トランペットのクリストーフォリさんが奮闘しているが、二回連続で首席ホルンが他に引き抜かれてしまったのは大きい。

ラザレフのロシアプログラムが好きで行っていたが、インキネンのドイツ物には正直期待できないかなと思う来年。

 

 

・東フィル

日フィルやN響と並んで、ファンを大切にするオケ。ピット経験が豊富な文化も影響しているのだろう。そして、芳醇で贅沢なサウンド。

残念なのは、来年のプログラムがあまりにも面白みに欠ける点。たぶん来年一番つまらない。予想通り首席指揮者になったバッティストーニの出演回数も少ない(サントリーホール休館の影響も大きいと思う)。

 

 

・新日フィル

昔は上岡さんのファンだったが、去年読響で聴いた第九がトラウマになってしまっていて、全然足を運べていない。

運営は上岡さん自身仰っているが、結構きつそうである。

前はプレーヤーの高齢化が進み、各々の目つきに輝きがなかったが、今はどうなっているのだろうか。

名物プレーヤーが入ったという話も聞かないし。

そして、上岡さんの意向だと思うが、プログラムが保守的過ぎる。

 

 

以上、主に足を運ぶオケについて、辛辣ながら書いてみた。

最近は演奏家との距離が近く、聴衆の品がよい室内楽に行くことが多くなった。

来年はN響は定期会員に復帰するが、それ以外は大体がスポット参戦になり、今年よりも回数は半減するでだろう。

同じ時期に同じ曲をぶつけ合うオケが多くなり、そこにお互いに対する敬意が足りない。垣間見えるのは妬みと足の引っ張り合いだ。そんなものを見に行きたいのではない。

その分、もう一つの趣味のロードバイクに力を注ぎつつ、今まで行けなかったJ-POPのライヴなどに運びたいと思う。

仕事柄なかなか難しいが、タスクを前倒しで進めて、上がると決めた日には絶対上がれるようにしたい。

海外遠征は今のところ白紙だが、ヤンソンス/BRとネルソンスが重なっている時にリベンジしたいと思う。

 

感動するものとそうでないものの二極化が進み、何故か涙腺が脆くなった。

新たな発見は減るかもしれないが、量より質を大切にしたい。

 

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【オペラ】新国立劇場 ローエングリン 2016/06/01(Wed) @新国立劇場

指揮:飯守泰次郎
演出:マティアス・フォン・シュテークマン
美術・光メディア造形・衣裳ロザリエ照明:グイド・ペツォルト
舞台監督:大澤 裕

ハインリヒ国王:アンドレアス・バウアー
ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ・フォン・ブラバント:マヌエラ・ウール
フリードリヒ・フォン・テルラムント:ユルゲン・リンオルトルート
ペトラ・ラング王の伝令:萩原 潤
ブラバントの貴族Ⅰ:望月哲也
ブラバントの貴族Ⅱ:秋谷直之
ブラバントの貴族Ⅲ:小森輝彦
ブラバントの貴族Ⅳ:妻屋秀和
合唱指揮:三澤洋史合唱新国立劇場合唱団
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団


なんと言っても、バイロイトで4年連続、ネルソンスとローエングリンで共演していて今や世界で1,2を争うヘルゲンテノールのフォークト。
とにかく凄かった。
独特の囁くような甘い声は放送音源を何度も繰り返して聴くくらい病みつきなのだが、彼が歌い出すと、場の空気が一変。
エルザ役のマヌエラ・ウールも始め、歌手については文句なし。
ただ、それに反してオケの音がブーイングが起きなかったのが不思議なくらい酷かったといえよう。
弱音はこの曲に求められる透明感が足りないし、何よりフォルテが汚い。

そして、大事な第3幕ではバンダの吹き出すタイミングがバラバラな上に、音を外しまくり。

カーテンコールの時に思わずブーイングしそうになった。
歌手がかわいそうである。

秋のワルキューレに不安を残すことになった。
ラインの黄金は悪くなっただけに、どうしてこうなったのか。
東フィルが下手なはずがなかろうなので、指揮者の棒のせいであろうと認識している。

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【コンサート】ウィーン少年合唱団 2016/05/31(Tue) @東京芸術劇場

ウィーン少年合唱団

普段自分から行くことはないのだが、友人に誘われて行くことに。

 

RBステージ横で聴いたけど、このホールの分離の悪さは全く気にならず。
むしろ合唱や室内楽のように、編成が小さい向きのホールかもと思ったのである。
さすがは世界最高の少年合唱団、歌唱力が見事。
指揮者のオリヴァー・シュリッヒさんのリードも素晴らしかった。合唱指揮ってこうやるのか、中学の時に校内合唱コンクールで指揮をしたこと、自分にとっては黒歴史でしかないのだが、これを見ておきたかったなと。


フォーレのレクイエムでは独唱部分もあり、ここは辛いかなと思ったけど、オーストラリア民謡を客席で一緒に歌うためにパンダとして配置された少年が真横に来たのだが、巧さと美声に実に痺れたといえよう。

客席を一緒に盛り上げる仕掛けもなかなかだった。


秋から始まり、夏で終わる、四季をテーマにした選曲で、日本の桜をテーマにした曲も歌われた。

 

1人では絶対こなかったと思うので、見識を広げるって大事だなと思った次第である。
終演後は友達とベルギービールの店で終電近くまで飲んでいた。
あっ、ビールの写真撮り忘れた、、、

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【コンサート】秋山和慶/都響 ヒンデミット、モーツァルト、R.シュトラウス 2016/05/30(Mon) @東京文化会館

東京都交響楽団
第808回 定期演奏会Aシリーズ


場所:東京文化会館 ホールご案内 座席表

指揮/秋山和慶
ピアノ/エリック・ル・サージュ


曲目
ヒンデミット金管と弦楽のための協奏音楽 op.50
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
R.シュトラウス:歌劇『ばらの騎士組曲


演奏や指揮姿は映像やCDで確認していたが、実演を前にするのは初めて。
ヒンデミットはいかにも合ってそうな曲ではあったが、個々のパートはうまいものの、オケの響きに濁りがあり、都響らしいサウンドが出てこない。
秋山さんの棒はまさに斎藤メソッドをそのまま体現したような、正確で分かりやすい棒。
昔から変わっていないのだろう。このまま50年間やってきたんだろうな、という印象を受けた。

その良さが一番活きたのがモーツァルトのピアノ協奏曲第24番であろう。
正確に刻む棒で、ル・サージュの柔らかいタッチが引き立った。

後半はばらの騎士組曲

冒頭から気合充分なんだが、カンタービレが全く感じられず、打点のはっきりした棒の支配下で実に窮屈そう。
流れが悪く、都響の奏者も顔色も前半に比べて曇ってきた。
最後の最後で一気にテンポが上がり、都響も機動力を発揮していたが、、、

秋山さんは創生期の日本のオケの技術的に向上させたのは確かかもしれないが、リズムや曲を知り尽くしているオケを前にすると、その「正確さ」ゆえに「枠」を超えた演奏が難しいと感じたといえよう。

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【コンサート】坂入健司郎/ユヴェントス・フィル ベルリオーズ、チャイコフスキー 2016/05/29(Sun) @ティアラこうとう大ホール

東京ユヴェントスフィルハーモニー
第12回定期演奏会

 

ベルリオーズ交響曲「イタリアのハロルド」Op.16(※)
チャイコフスキー交響曲第6番ロ短調「悲愴」Op.74

 

ヴィオラ独奏:安達 真理(※)
指揮:坂入 健司郎
演奏:東京ユヴェントスフィルハーモニー

 

前回、ブルックナー交響曲第8番で素晴らしい演奏を聴かせてくれた、坂入さんのベルリオーズチャイコフスキー

木管金管ともにギラギラしていて、そこに安達さんのうっとりするようなヴィオラベルリオーズ管弦楽の素晴らしさを引き立てる。
こんなにいい曲を書いていながら、あまり演奏されないのは不思議だといえよう。

後半のチャイコフスキーはストレートな快演!
楽章間はアタッカにせず、それでも全体の一貫性はしっかり取れていた。

そして嬉しかったのは、アンコールの2曲。

1曲目は組曲第4番「モーツァルティアーナ (Mozartiana)」作品61 (1887) より
そして、2曲目は劇付随音楽「雪娘」 作品12から「スコモローフ(道化師)たちの踊り」
「雪娘」は「白鳥の湖」とも作曲時期が近いこともあり、連想させるフレーズ、、、

2曲とも本当にエネルギッシュ!!
暑気払いといったところだろうか。

終演後は坂入さん、安達さんともに気さくに話して下さった。
個人的には昨日のウルバンスキの演奏会よりもずっと面白かったし、来年1月にはマーラーの3番を演奏するらしいので、楽しみで仕方がないといえよう。

 

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【コンサート】ウルバンスキ/東響 プロコフィエフ、チャイコフスキー 2016/05/28(Sat) @サントリーホール

指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ

ピアノ:アレクサンダー・ロマノフスキー


曲目
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26
チャイコフスキー交響曲 第4番 ヘ短調 作品36


さすがにコンサート疲れが生じたので、カラビッツ/読響についてはパスした。

何気にウルバンスキの実演を聴くのは初めて。
ウルバンスキはNDRの首席客演指揮者を勤めていて、ネットラジオでブラ1を聴いたことがあったのだが、角が立たずにアプローチが非常にソフト。
今回はそれを実演で体感した。

前半のプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、ロマノフスキーの優雅なタッチに酔いしれた。
ウルバンスキの伴奏もソフトで、この曲のキラキラした響きと実にマッチしていた。

後半はチャイコフスキー交響曲第4番。
スメタナのシャールカなどを得意としているので、もっと重厚な演奏を聴かせてくれるのかと思ったが、ここでも実にソフト。ティンパニトレモロなども角を立てずにソフト。
その分、スローなテンポで各パッセージを浮き立たせる解釈は今までにない新鮮さを覚えたが、それでも個人的にはもっとエッジが聴いた重厚な響きを好む。最後の最後でバスドラを強めに鳴らして盛り上げたが、あまり好きにはなれなかったといえよう。

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