指揮:ジョナサン・ノット
ソプラノ:チェン・レイス
バス・バリトン&語り:クレシミル・ストラジャナッツ
混声合唱:東響コーラス
曲目
シェーンベルク:ワルシャワの生き残り 作品46 ~語り手、男声合唱と管弦楽のための
ベルク:「ルル」組曲
ブラームス:ドイツ・レクイエム 作品45
今回は群馬で土日とも自転車のレースがあり、2日目だけ出ることにして、1日目このコンサートを聴くことにした。
自転車との兼ね合いは本当に難しいといえよう。
世界中から絶賛されているミューザ川崎は音響的には最高であるが、立地のせいか、客入りはさほどよくない。
今回も空席があって、8割ほどの入りであった。
(それでも、ノット就任公演のマラ9よりは多かったが)
川崎定期の数が減ったのはもったいないが、ある意味仕方ないのかもしれない。
でも、やっぱりミューザで聴いてよかったと思えるのが今回のコンサートである。
ワルシャワの生き残りは、なかなか演奏されない作品であるが、東響コーラスが力強く圧巻。
特にバーンスタインのカディッシュもそうだが、ユダヤ系のテーマを扱う時に出てくる、ヘブライ語の合唱は他にはない、独特な効果をもらたすといえよう。
続く、ベルクの「ルル」組曲はノット/東響がこのホールの響きを生かし、透明感溢れるサウンドも聴かせていた。
後半のドイツ・レクイエムは、意外にもノットが初めて演奏するらしいが、何か噛み締めるように、祈るようにゆったりしたテンポで進め、トータル73分もあった。
第6楽章はテンポがやや速く、多少粗さがあったが、第2楽章、第3楽章の盛り上げ方が素晴らしかったといえよう。
心が洗われたのである。