<演目>
<演奏者>
コンサートマスター:崔 文洙
指揮:上岡敏之
噂でリハーサルが厳しいと聴いていたのですが、3日間に上岡イズムを浸透させるために実際に朝から晩までびっしりリハをやっていたそうです。
シベリウスの4番は今まで一番聴かない曲だったので、曲のイメージを叩き込むためにセーゲルスタム、オラモ、ベルグルンド、カラヤン、マゼールのCDを何度もリピートしました。
たぶん上岡さんの演奏は誰にも似てないものになるでしょうけど、カラヤンがやっぱり一番しっくりきました。
さて、演奏ですが、とにかく弾く側も聴く側も極度の緊張感が求められる演奏でした。
第1楽章からしてかなりのスローテンポで曲の隅々までppと徹底させる上岡イズムの面目躍如。チェロのソロも見事。
第2楽章もふっと覗かせる明るさの中にもどこか不安を感じさせる表現が見事でしたし、第3楽章の雄大な表現もオケが乱れることなく、終楽章まで上岡さんも体調の良さを感じさせる演奏でした。
20分の休憩後、ベートーヴェンの6番は一点して軽い演奏。
流線型の描くタクトは特に第2楽章で色彩感豊かでしたが、シベリウスでエネルギーを使ったせいか、どちらかというと流す感じ。オケに乱れはなかったものの、もうちょっとピリッとしたところが欲しかったのが正直なところ。
演奏会の後は珍しくサイン会がありました。
いつもは楽屋に長蛇の列が出来るんですが、マエストロも多忙そうで、あまりお話し出来ませんでした。
ただし、コンマスの崔さんとお話しが出来たのはよかった。
彼の弦はひときわ輝いてましたね。
誰の演奏会でもそうですが、上岡さんの演奏も日によって結構変わるので、翌日がどうなるのか楽しみにしながら、会場をあとにしました。