コンセルトヘボウ主義

世界最高のオーケストラ、コンセルトヘボウのことを中心に、個人的に注目している演奏家や音源について書いていきます。

【コンサート】2024/01/10(Wed) 藤田真央/ヴァイグレ/読響@サントリーホール

こうやってコンサートの記録書くのはいつぶりだろうか。

本ブログの「コンセルトヘボウ主義」もコンサートの感想を書くためのものだった。

ある意味「原点回帰」である。

 

藤田真央さんを知ったのは知人夫妻で葵トリオの伊東裕さん推しの紹介で知った。

あまりにも絶賛していたので、自分も録音から聞いてみようと。

 

ちょうどメディアや著名人も絶賛し初めていたので、こういう「高値掴み」は好きじゃないんだよなぁ、、、と思いつつ。

 

でも録音を聴いただけで、これはまさにリパッティを彷彿させる天才ピアニストだと。

気品高く、テンポ設定も独自の世界を持っている。

こんな才能、今でもあるんだなって。

 

そして、もっと先になる予定だったが、読響との関係者席の調整に滑り込むことが出来てS席の良席を引き当てることができた。

 

当日は万難を排して、会社も早上がり。

 

17時半には現地近くに来ていた。

 

サントリーホールに来たのもいつぶりだろう。

前回のPMF以来だから半年ぶりか。

 

帰ってきた感ある。

 

曲目は前半が

ブラームスピアノ協奏曲第2番

 

後半が

シューマン交響曲第1番

 

山響でもブラームスピアノ協奏曲第2番で共演していて、その時のインタビューも事前にチェックしておいた。

シンフォニックな曲と御本人はイメージしておられた。

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ここも懐かしい。

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以下感想。

 

前半のブラームスピアノ協奏曲第2番

これが真央ワールドなのか...。色んな音源を聴いていてすっかり虜になっていたけど、実演ですっかり惚れてしまった。


冒頭の音を聴いた瞬間、一瞬たりとも彼の音を逃すまいと。
ヴァイグレとオケが全力で彼に寄り添い、それでいて本当に笑顔を絶やさずに弾く。

特に衝撃だったのは第2楽章。
もっとガツンとパンチを効かせて弾く曲だと思っていたが、ここでも芳醇でゆったりとしたテンポ。決してフォルテがうるさくならない。
第3楽章は真央さんがチェロのソロを満面の笑みで見つめながらの対話。それに続く第4楽章も至福の極地。

真央さんの音楽って奇を衒うわけでもないけど、その曲の概念を覆しまくるほど真央ワールド全開。
音楽を心の底から楽しんでいる天真爛漫な天才だと思った。
規格外の推しが誕生してしまった。

 

これは #万難廃して 通うことになりそう。
他のピアノが聴けなくそうで怖くもある。

 

オケも読響も久々だったけど、読響とヴァイグレって横の線、弦と木管、芳醇さ、室内楽的なまとまりを大切にするオケ。


硬質で縦の線がっつりな都響とは真逆。
なので、好みは正直分かれると思うが、団員が献身的でオケの雰囲気の良さが伝わる。
前から共演が多い、上岡さんと相性がいいのも納得。

 

後半のシューマン交響曲第1番「春」

アタッカで速いテンポながら、第4楽章ではソロにたっぷり歌わせたりと聴き応え十分。

ヴァイグレって劇場の人なんだなと改めて納得。そういう見通しの良さも武器にしながらも、曲を手中に収めている感があった。

 

コロナ禍で一旦離れて環境も変わったので前のように、月10回とかコンサートには来れないけど、だからこそ聴きたい音楽は #万難を廃して 聴きたいと思った所存。

もっと藤田真央と読響のことが知りたくなった。

これは #中毒性 ありすぎ。

#メンゲルベルク を初めて聴いた時を思い出した。


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最後は能登半島沖地震の募金活動やっていたが、しっかり入れてくればよかったな。

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アンコールは軽めの曲で。

真央さんはチェロ・ソロの女性をしきりの持ち上げていた。

こういうことができる25歳。

 

なんでもっと早く出会わなかったんだろうという後悔もありつつ、これから真央ワールドに浸っていきたいと思う。

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次はいずみホールでのソロリサイタル、3/24(日)。