この公演もいよいよ千秋楽。
兵庫、館山、東京、東京、名古屋、京都、横浜という、鬼のスケジュールでオフが29日しかなかったというハードスケジュールだけが心配だった。
新横浜に車を停めてから移動するという、イレギュラーな日程だったので、時間には結構余裕を持って、万難を排して移動した。
結果、開場と同時くらいにつけた。
今日は2階LCの2列目。
音響的にはハズレの少ないホールで、ステージの高さも低めなので、視覚的には平土間選んだ方が良かったかもだけど、演奏は全曲、サントリーを遥かに凌ぐ出来だったと思う。
全体的にオケに任せて流し気味だった前回までに比べて、ヤマカズが手綱をしっかり握っていた感。
1曲目の『牧神』からして、オケの瑞々しさに加えて濃厚さとオケの曲への思い入れがより出ていたように感じた。
2曲目のラヴェルのピアノ協奏曲。
プレトークにも真央さんがフライング気味に登場。
グリッサンドで爪がボロボロと言いながらも出来には問題がないと語っていたが、あの『とろける』ような柔らかい音色がついに出た。
サントリーは硬さがあったが、第2楽章のトレモロと第3楽章の躍動感が素晴らしかった!!
後半のサン=サーンスは、前回よりも濃密な表現。
特に少し物足りなさを感じていた低弦が今回はゴリゴリで、ヤマカズもオケもより踏み込んだ演奏。
中間部の美しさはそのままに、コーダはよりテンポを落として最後への想いが伝わってきた。
ライブの醍醐味をひしひしと感じた。
アンコールはアシスタントコンダクターを迎えてのシュレーカー。
ヤマカズの器量の大きさよ。
ヤマカズが振った時より濃密な表現だった。
そしてアンコールは十八番のファランドール。
一旦ヤマカズが舞台裏に引っ込んで、小太鼓が指揮台の前に来る洒落た演出。
ヤマカズは曲の終わりに小太鼓を一緒にたたいたり、客席に手拍子を促すタイミングで再度やってきた。
オケも指揮者も最後の瞬間まで千秋楽を楽しんでいて終わって欲しくなかった。
ヤマカズはモンテカルロフィルとの王宮でのコンサート、真央さんは来週の王子ホールでのコンサートがあるが、それ以降は2か月近くのバカンスらしい。
英気を養ったり、自分と見つめ直す時間は芸術家にこそ必要だと思う。
真央さんの王子ホールのチケットは王子ホールの会員に復帰し損ねたので取れず。
しばらくはお休みか。
明日は葵トリオを聴きに名古屋へ。