コンセルトヘボウ主義

世界最高のオーケストラ、コンセルトヘボウのことを中心に、個人的に注目している演奏家や音源について書いていきます。

【コンサート】インキネン/日フィル マラ7、シベリウス 2014/11/14(Fri)

日フィルの定期演奏会に行ってきました。
今日はプラハ交響楽団の音楽監督就任が決まった、インキネンの指揮による、マーラーの7番。

 

シベリウス交響詩《大洋の女神》
マーラー交響曲第7番《夜の歌》

 

技術的にも芸術的にも難解とされるこの曲で、インキネンは実に見通しの良い演奏を繰り広げていました。

特に日フィルは金管パートが強みですが、今日は弦の力強いしなやかさが光っていて、全体的にバランスの良いサウンドだったと思います。

白眉は第2楽章と第4楽章の2つの「夜の歌」
ホルンの日橋さんが、もう凄すぎて言葉が出ないレベル。絶対にブレない高い安定感。朗々と鳴るソロパート。

演奏が終わった後もインキネンが真っ先に立たせて、ブラボーの嵐を浴びていました。

演奏全体ではシベリウスの美しさもさることながら、マーラーは立ち上がりこそ、トランペットやトロンボーンに硬さや重心の高さが目立っていたものの、第1楽章中盤から立て直し、インキネンの意図を的確に汲み取っていたと思います。

明日は行けませんが、今日の演奏よりもずっと良くなるはずです。

 

アフタートークでは来期以降の予定も発表されていました。
レパートリーも広がるし、ソリストもかなり豪華になる模様。

インキネンはまさに王子という風貌で、フィンランド訛りが一切ない、綺麗な聞き取りやすい英語でした。

来週の公演はフランス物ですが、今日のアプローチはそれも意識しているのかな、とも思いました。今日の演奏の余韻に浸りながらも来週が楽しみです。

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