コンセルトヘボウ主義

世界最高のオーケストラ、コンセルトヘボウのことを中心に、個人的に注目している演奏家や音源について書いていきます。

【コンサート】ホップ・ステップ Vol.14 上野 耕平@管楽器専門店ダグ 2016/02/09(Tue)

ホップ・ステップ Vol.14 上野 耕平

F.シュミット:レジェンド
D.ミヨー:スカラムーシュ
P.クレストン:ソナタ

2月に入り、仕事でのゴタゴタもようやく落ち着いて、次への道へ進むことが決まった。

2月最初のコンサートは上野耕平さんのサックス。DACという、新大久保にある管楽器専門店の地下にあるスタジオでの演奏会。
ここに来たのは初めてであった。
きっと9月に上野さんに出会えていなければ、ここに来ることもなかったと思われる。

一番好きだっただったのは、F.シュミット(フローラン・シュミット)のレジェンドという曲。
次に最後に演奏された、長生淳の「ラフォリスム」である。

吹奏楽要素の強い選曲ではあるが、こういう曲に興味が持てるのも上野さんのおかげといえよう。
フランクなトークで会場を笑わせてくれるのも、上野さんの素晴らしいところ。

新しい職場は4月から。その時どうなるか分からなかったけど、4/19(火)のB→Cのチケットを買ってしまったのであった。
その前は東京春祭で今回と同じく黒岩さんとのコンビが見られる。

次回が楽しみといえよう。

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【コンサート】山田和樹/横浜シンフォニエッタ オールモーツァルトプログラム@フィリアホール 2016/01/27(Wed)

横浜シンフォニエッタ 第11回演奏会

山田和樹 [指揮]
菊池洋子 [ピアノ]

オールモーツァルトプログラム
交響曲 第1番
ピアノ協奏曲 第22番
交響曲 第41番《ジュピター》※暗譜による演奏

この日はモーツァルト生誕祭ということで、オールモーツァルトプログラムであった。

普段、なかなかモーツァルトを進んで聴くことはないのだが、菊池洋子さんの演奏で考えを改めた。
以前、セーゲルスタム/読響でモーツァルトのピアノ協奏曲を聴いてからである。

山田和樹さんもプレトークで話していたが、モーツァルトは大好きなのだが、なぜか演奏を聴いていると眠くなってしまう。
すごくよく分かる。
私の場合はCDを聴いていると眠くなってしまうことが多い。

演奏機会が少ない交響曲第1番を経て、これまた演奏機会がさほど多くないピアノ協奏曲第22番を聴いたが、この曲が好きになってしまい、終演後にCDを買ってしまったのであった。

暗譜で演奏された、モーツァルトの「ジュピター」は至福のひと時であった。
モーツァルトってこんなに愉しいのか!!」というのが、ヤマカズさんの演奏からは感じられた。
横浜シンフォニエッタのメンバーがノリノリで楽しそうに笑顔で弾いている。メリハリがあり、表情が豊かであり、とても暗譜とは思えない。
というか、暗譜だからこそ、曲に共感できるのか。
特に第4楽章は忘れられない演奏。コーダの力強さと躍動感。
会場は湧きに湧いて、アンコールはまた第4楽章だった。

なんでも生演奏が最高であるが、モーツァルトこそ生で聴くのがよいと思えたのであった。CDだとどうしても眠くなりがちなのでw

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【コンサート】ギルバート/都響 武満、シベリウス、ワーグナー@サントリーホール 2016/01/26(Tue)

東京都交響楽団
第801回 定期演奏会Bシリーズ

指揮/アラン・ギルバート


曲目
武満 徹:トゥイル・バイ・トワイライト -モートン・フェルドマンの追憶に- (1988)
シベリウス交響詩《エン・サガ(伝説)》 op.9
ワーグナー(ギルバート編):指環の旅~楽劇『ニーベルングの指環』より

5年ぶりのアラン・ギルバート。
入魂の一撃だった、ブラームス交響曲第1番が懐かしい。

ニューヨーク・フィルとの来日公演は好きなブロンフマンと共演といえど、値段的に行く気になれなかった。

そんなギルバートだが、武満作品、シベリウスともに細部まで神経を張り巡らせ、ディテールに拘った演奏。
都響の特性を生かした名演であった。
ギルバート編のリング抜粋は「ラインの黄金」がなかったのが寂しかった。前半に比べると、少し物足りない気もしたが、都響にピット経験があれば、この曲の鳴らし方も変わってくるのではないかと思った次第である。

ニューヨーク・フィルを去ることが決まっているのだが、どこに行くのだろうか。
可能なら都響の音楽監督になってくれないだろうか。

次は夏にマーラーの5番を振るそうなので楽しみであるといえよう。

 

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【コンサート】ファウスト、~バロックとバルトーク無伴奏の夕べ~@王子ホール 2016/01/19(Tue)

バロックバルトーク無伴奏の夕べ~

イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー 第5番
    イ長調 TWV40:18
ヴェストホフ:無伴奏ヴァイオリンのための組曲 第6番 ニ長調
ビーバー:パッサカリア ト短調
ギユマン:無伴奏ヴァイオリンのためのアミュズマン Op.18より
     第18番、第3番、第4番、第5番、第12番、第14番、第13番
ピゼンデル:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ イ短調
(休憩)
バルトーク無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117

ファウストの大ファンであることは以前書いたが、このチケットを手に入れるためにオークションで倍以上の値段支払ったのであった。
それだけに何が何でも行きたかったのである。

今回はピアニストの同行がなく、完全なソロ。しかも、バッハ以前も含むバロックバルトーク無伴奏ソナタという組み合わせ。
NHKの収録も入っていた。

室内楽の聴衆、特に王子ホールというのは明らかに他との雰囲気が違う。
王子ホールという立地、室内楽とオケでは面子が異なるのであろうか。
しかもお互いに挨拶している人が多いので、常連が多いように見受けられる。

さて、ファウストの演奏であるが、揺るぎない素晴らしいものであった。
温かみがありながら、無駄な情緒は排した研ぎ澄ました洗練された弦であったといえよう。

ちなみにファウストとの最初の出会いは、2012年5月、アバド/ベルリン・フィルとの演奏会であった。
その時のキャストがオッターとファウストで、前半のベルクのヴァイオリン協奏曲が終わったところで二人のサイン会があった。
自分がベルリンで手にしたディスクはバッハの無伴奏
バッハは苦手なはずがすっかり好きになってしまった。

素晴らしい演奏家は、その曲の魅力を伝え、好きにさせてくれる。
ファウストもまぎれもなくその一人であるといえよう。
サイン会の時に、短い間であったが、そのことを本人に伝えたら凄く喜んでくれたのであった。

 

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【コンサート】坂入/ユヴェントス・フィル ドビュッシー、ブルックナー@すみだトリフォニー 2016/01/09(Sat)

 

 

 

 

 

 

 

 

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ブルックナー交響曲第8番ハ短調(1890年改訂稿) WAB.108

指揮:坂入 健司郎
演奏:東京ユヴェントスフィルハーモニー管弦楽団

今年初めてのコンサートは坂入/ユヴェントス・フィルであった。
#坂入さんはいいぞ と聞いていて、実際youtubeで聴いた時のブルックナーの5番がよかったので期待大であった。

前半の「牧神」から瑞々しい、いい音。

そして後半のブルックナー
アマオケとは思えない、というか、このコンビでしか聴けない壮大なブルックナー金管が入りのところで落ちる箇所はあったけど、そんなことはもはや関係ない。
第1楽章の中間部の盛り上げ方、第3楽章の天国的なアダージョ、気力を振り絞っての第4楽章。
坂入さんが「意識が飛びそうになった時、聴衆の集中力から元気をもらった」というくらい、聴衆との一体感が素晴らしかった。
「お金を払ってきている」のではなく、「本当に聴きたい演奏だから」来ている人が集まるとこういう経験したことのないような雰囲気になるのだろう。

終演後、さすがに坂入さんはフラフラであったが、それでもエントランス、楽屋に来たファン一人一人に挨拶をされていた。
自分もお疲れなところ申し訳ないと思いつつ、サインとツーショットの写真を頂いた。
この後は朝まで打ち上げらしい。
平日はサラリーマン、休日はほぼオケの練習。どれだけタフなのだろう。

すっかり、坂入さん/ユヴェントス・フィルのファンになってしまった。
次の演奏会も絶対に来ると決めたのであった。

 

youtu.be

 

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【コンサート】小泉/都響 メンデルスゾーン、R.シュトラウス@東京文化会館 2016/01/12(Tue)

東京都交響楽団
第800回 定期演奏会Aシリーズ

指揮/小泉和裕
ヴァイオリン/イザベル・ファウスト

曲目
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
R.シュトラウス家庭交響曲 op.53

今年第2弾のコンサートは小泉/都響であった。
自分が現役でもっとも好きなヴァイオリニスト、イザベル・ファウストが聴ければ十分と思っていたが、小泉さん/都響ともに誠実にサポートに回っている感があり、ファウストへの敬意と受け取ったのである。

アンコールは初耳、クルターク:ドロローズであった。

さて、後半の家庭交響曲
実はあまり小泉さんにいいイメージはなく、以前大植さんの代役で「悲愴」を振った時の印象が強く、カラヤンの(劣化)コピーという印象が強かったが、残念ながらそれを今回も痛感してしまったのである。
特に今回は800回目の演奏会、プログラムにカラヤンのアシスタントを勤めていた頃のエピソードが書かれており、「カラヤン直伝」という思いが一人歩きをしていたように感じた。
冒頭から金管が派手に外し、それ以降もオケのほうを見ようとはせず、ひたすら下を向きながら手を上下させていたのである。
インタビューの中で「カラヤンさんはR.シュトラウスからのアドバイスかは分かりませんが、最後にリダルダントをかけるんですよね。それには物凄い迫力がありました」と語っていたが、それまでコピーするとは思わなかったといえよう。

楽団員も冷めた顔をした人が多く(特に2ndVnトップの双紙さんの表情を個人的にはオケ側の満足度のバロメーターにしている)、団員からも少なからず不満の声が聞こえた。

サイン会はファウストが先に現れ、少なくとも自分がいた時間には小泉さんは現れなかったのであった。

小泉さん、ブルックナーは素晴らしいそうなので、その時だけは来てみようと思う。

 

 

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【オペラ】 ヤナーチェク/イェヌーファ @新国立劇場 2016/03/02(Wed)

新国立劇場のイェヌーファを観てきた。

ヤナーチェクの代表作であるが、チェコ語上演で日本語字幕というのは実に貴重なので、観にいくことにした。

DVDで観たこともなく、マッケラスの演奏を聴いたことしかなかったが、これほど救われない、ドロドロした話も珍しいといえよう。
アカデミックプランで非常にいい席をゲットできたのであった。

オペラは海外ではよく観るが、日本では特に値段を前に尻込みしてしまうことが多い。しかし、アカデミックプランはお財布にも優しいのである。

さて、演奏であるが、ピットでの鳴らし方を知り尽くした東響のサウンドが素晴らしい。歌手をスポイルしないように、抑えるところと鳴らすところを完全に手中に収めており、チェコ出身のトマーシュ・ハヌスの見通しのよい指揮も見事であった。
ドラマティックに鳴らしながらも

、決してうるさくならないのである。都響にはできないといえよう。

歌手はコステルニチカ役のラーモアと、ラツァ役のハルトマンが2枚ほど抜けている感がした。
やはり外国人歌手が総じて1枚抜けている感があったが、それは仕方ないのかな、という気もする。

この曲の良さを初めて教えてもらった。新国立には定期的に通いたいと思っている。

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