<演目>
チャイコフスキー:幻想序曲《ロメオとジュリエット》
グリーグ:ピアノ協奏曲
プロコフィエフ:バレエ《ロメオとジュリエット》より
(アンコール)
プロコフィエフ:バレエ《ロメオとジュリエット》より
第18番 ガヴォット
<演奏>
指揮:西本智実
ピアノ:田部京子
ゲスト・コンサートマスター:物集女純子
日本フィルハーモニー交響楽団
白眉は田部さんのグリークでした。この曲はフィギュアスケートでよく使われるだけあって、豪華絢爛に鳴らす演奏が多い中で、田部さんの演奏はシンプルかつ、正確で品格のある素晴らしい演奏。
元々は吉松隆のプレイアデス舞曲集(1996年録音)で彼女の素晴らしさを知ったのですが、スケールや深みが段違いに増していると感じました。
西本さんの演奏はチャイコフスキーでこそフォルテでやや力みが感じられましたが、プロコフィエフは自然体で凄い音が鳴っていました。
ロシア物だといい意味で全然違う。旋律の歌わせ方、弱音部のデリカシー、あらゆる面において。
今日も金管陣は凄くて、特に首席ホルンの日橋さんが鳥肌モノ。今日は3番ホルンでした。
演奏会が終わった後は飲み物が配られ、新しく理事長に就任した平井さんから挨拶があり、その後は田部さんのトーク、クラリネットのプチ演奏、指揮者の西本さんのトークで終わりました。
演奏会もよかったですが、一番印象に残ったのは専務理事だった平井さんが理事長に就任されたこと。
平井さんはいつも開場時には入口に、休憩中には会場に、終演後は楽屋に色んな方に気さくに声をかけて、かけられて、本当に慕われているのが
分かります。
誰とも分け隔てなく接して、いつも笑顔でフレンドリー。
お祝いの言葉をかけたら「ご愁傷様だよー。やりにくいもん。トップになると一気に決まってしまうし」と話されてましたが、重責なことは確かです。
でも、平井さんが就任してからラザレフを呼び、そこからヤマカズ、インキネンなど次々にいい指揮者を集まるは、それだけ彼の人柄とオケの雰囲気がよいということでしょう。
しかもすごいのは敏腕トレーナーかつロシアの濃密な音楽を聴かせるラザレフ、横の線と当たりの柔らかさとプログラムの幅広さが魅力のヤマカズ、北欧系の透明な響きを聴かせるインキネン。
1人の指揮者の音にオケを染め上げるのではなく、3人とも全く異なるタイプの指揮者を呼んでいるところに妙味を感じます。
平井さんについては、2008年とだいぶ前に書かれた東洋経済オンラインのいい記事を貼っておきますが、平井さんも今ほどオケが充実してくるとは思わなかったのではないでしょうか。
http://toyokeizai.net/articles/-/2471
これからがますます楽しみです。後期も迷うことなく定期会員になりました。