コンセルトヘボウ主義

世界最高のオーケストラ、コンセルトヘボウのことを中心に、個人的に注目している演奏家や音源について書いていきます。

【コンサート】インバル/都響 モーツァルト、ショスタコーヴィチ@東京文化会館 2016/03/29(Tue)

東京都交響楽団
第803回 定期演奏会Aシリーズ


指揮/エリアフ・インバル
ピアノ/白 建宇(クンウー・パイク)


曲目
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595
ショスタコーヴィチ交響曲第15番 イ長調 op.141

 

インバル/都響の第2弾。
チェコ・フィルとも録音を残しており、共演も多いクー・ウン・パイクとのモーツァルトのピアノ協奏曲第27番と
メインはショスタコーヴィチ交響曲第15番である。

パイクのピアノはどちらかというと、インバルに似た黒光りをする響きをタイプなので、モーツァルトは正直合わないと思っていたが、想像以上の出来だったといえよう。
アンコールはブゾーニトゥーランドット組曲であった。とても幻想的な響きだった。

後半はショスタコーヴィチの最後の交響曲である、15番。
インバル壮年期のウィーン響との録音とも異なり、弾力がありながらも繊細で全体を包み込むような暖かい響きであった。
ハイティンク/RCO盤、ゲルギエフ/マリインスキー新盤を個人的には好むが、前者の緻密さ、後者の「歌」を併せ持ちながらも、鳴らす部分はしっかりと鳴らす、インバルらしい演奏であったと認識している。

EXTONの録音が入っていたようなので、CD化が実に楽しみだといえよう。